クォーツとは?さまざまなアクセサリーに使われるクォーツの種類や特徴を紹介
アクセサリーを選ぶ際に、「クォーツ」という単語を見かけることも多いのではないでしょうか。クォーツは、とても種類が豊富な宝石で、色や模様によってさまざまな名前がつけられています。種類によってまったく違う印象を見せるので、自分の好みで選んだり、ファッションに合わせたりなど、さまざまな楽しみ方ができます。本記事では、クォーツの概要や種類、お手入れ方法などをご紹介します。
クォーツとは
クォーツは、鉱物名を「天然クォーツ」といいます。ドイツ語で「石英」を意味する「quarz」が語源になったとされています。岩石の中に最も多く見られる鉱物とされており、透明だけでなくさまざまな色合いや模様を持っています。
和名は「石英」といいます。大きく分けると単結晶と多結晶のものに分けられるのが特徴です。含まれている不純物や内包物、天然の放射線照射などによって色が変わります。
クォーツの主な産地
クォーツは種類が多く、世界中で産出します。主要な産地として、ブラジル、マダガスカル、スイス、アメリカ、ロシアなどがあります。また日本でも見つかる宝石の一つです。
代表的なクォーツの種類
ロッククリスタル
ロッククリスタルは、無色透明の宝石です。日本語で水晶と呼ばれており、最も名が知られているクォーツの一種です。クリスタルクォーツとも呼ばれています。日本で一般的にクォーツといえば、このロッククリスタルを指す場合が多いです。宝石としてだけでなく、レンズやガラス、時計、レーザーなどさまざまな用途として用いられています。
アメジスト
アメジストは紫水晶と呼ばれており、紫、ライラック、藤色をした宝石です。多色性を持っており、見る角度によって青みがかっていたり、赤みがかっていたりなど、さまざまな色合いを見せます。
アメジストの紫色は、高貴なもののシンボルとして扱われていました。古代エジプトのファラオや宗教の指導者たちなど、多くの人々がアメジストの色を尊んできたのです。
シトリン
シトリンは黄色をしたクォーツです。フランス語でレモンという意味を持つ「シトロン」が語源とされています。日本語では黄水晶とも呼ばれており、自然に黄色くなったシトリンは非常に珍しいとされています。そのため、現在流通しているシトリンの多くは、アメジストに熱処理を施して黄色くしたものだといわれています。天然のシトリンは少ないですが、特にマデイラと呼ばれる濃い黄色をしたシトリンは高い価値があります。
一つの結晶の中に、シトリンの黄色とアメジストの紫色の2色を有しているものは、「アメトリン」と呼ばれます。結晶構造の中に、2色の色を作る酸化状態の異なる鉄があるからとされています。アメトリンは、色がくっきり分かれていたり、彩度が高かったりするものほど、価値が高いといわれています。
スモーキークォーツ
スモーキークォーツは、茶系の色合いをしたクォーツです。「シャンパンオンアイス」とも呼ばれており、アルミニウムを含んでいます。中でも、スコットランドのカンゴーム地方で産出したものを「カンゴーム」と呼びます。カンゴームはスモーキークォーツの中でも色が濃く、黄褐色から黒褐色です。また茶色から黒色に近い色をした、ほとんど透けないものがモリオンと呼ばれています。
モリオン
茶色から黒色に近い色をした、ほとんど透けないクォーツがモリオンと呼ばれています。日本語では、黒水晶といわれています。成長期に微量のアルミニウムを含んでおり、放射能鉱物からの干渉で発色するからだとされています。現在、市場に出回っているモリオンの中には、色合いの濃いモリオンやスモーキークォーツもあるとされているので注意が必要です。
強いパワーを持つ石として知られており、魔除けなどに用いられてきました。厄除けの石でもあり、古来では魔術や呪術などに用いられてきたとされています。現在でも、厄除けや気持ちを落ち着けたい時などに、身に着けることが多いようです。
ローズクォーツ
ローズクォーツは、ピンク色をしたクォーツです。日本語では紅水晶と呼ばれています。結晶として見つかるのは珍しいとされており、ほとんどが塊状で産出されます。淡いピンク色から濃い目のローズピンクまで、さまざまなピンク色のものがあります。
古来より愛されてきた宝石の一つで、古いものでは紀元前7,000年前にビーズ状に加工されたものが残されているといわれています。また、宝飾品としては紀元前800~600年ごろから盛んに加工されだしたのではないかと考えられています。
石が作られる過程において、ルチルを含有することがあります。ルチルの入り方によっては、スター効果が表れるとされています。
カルセドニー
カルセドニーは、多結晶のクォーツに属するとされています。色が均一なものもあれば
、縞模様や木の枝などに見える内包物があるものまでさまざまなです。彫刻が施しやすいため、カメオなどの装飾品として使われることが多いです。豊富な色彩を持っているため、好みの色を見つけやすいのも人気の理由です。
世界中に多くの産地があり、幅広い地域に分布しています。和名は「玉髄(ぎょくずい)」といい、宮沢賢治などの文学作品の中にも登場しています。
カーネリアン
カーネリアンは、赤色~オレンジ色が鮮やかなクォーツです。カーネリアンの語源は「肉」という意味を持つラテン語の「carnis」、もしくは新鮮という意味を持つ「carneolus」に由来するといわれています。和名を「紅玉髄」といいます。細長い石英が固まってできた塊のため、小さな穴が存在します。この穴があることで染色しやすく、古くから人工的に着色されてきた宝石でもあります。
クリソプレーズ
クリソプレーズは、明るい緑色が特徴のクォーツです。和名を「緑玉髄」といいます。ギリシャ語で金色の意味を持つ「chrysos」と、西洋ねぎの意味がある「prason」が語源とされています。緑色の発色は、ニッケルに由来すると考えられています。
産出量が少ないため、希少性が高い石として知られています。主な産地はオーストラリアで、色合いや光沢感が翡翠に似ていることから、「オーストラリアンジェイド」と呼ばれることもあるようです。古来より、カメオなどの装飾品に加工され、人々に愛されてきました。
ジャスパー
ジャスパーは、不透明な色合いをしており、赤色、褐色、黄色など多くの色があるのが特徴です。中にはいくつかの色合いが混ざったものもあります。代表的なものに、レッドジャスパーやグリーンジャスパーなどがあります。語源は、古代フランス語で「斑点のある石」という意味を持った「jaspre」、ラテン語の「jaspidem」などからきているといわれています。
古代よりお守りの宝石として好んで使われていたとされます。ギリシャやヘブライ、アッシリアなどに地域で人気があり、ブローチ、ネックレス、カメオなどに加工されてきました。
ルチルクォーツ
ルチルクォーツは、針入り水晶とも呼ばれているクォーツです。細い線状のルチルが内包されていることから、名付けられました。内包されている針の太さや大きさはさまざまで、髪の毛くらいの長さのものから、爪楊枝ぐらいの太さを持ったものまで多様です。また、カラーも豊富で、金、銀、赤、緑などの種類があります。
ルチルクォーツのように内包物があるクォーツは、半透明で濁ったように結晶するものが多くなります。そのため、透明度が高く、ルチルがしっかりと確認できるものほど、希少価値が高いとされています。
アゲート
アゲートは、縞模様のあるクォーツを指します。語源はギリシャ語の「Achates」とされています。これは、イタリアのシチリア島にあるアカーテ川で、アゲートが産出されていたからだと考えられています。模様が馬の脳を連想させることから、和名では「瑪瑙(めのう)」と呼ばれています。
種類が豊富で、マーブル模様のほか、植物に見えるデンドリティックアゲートやレッドアゲートなどさまざまな種類があります。世界中に産出地があり、日本でも産出されます。赤、緑、ピンクなどさまざまな色合いがあるのも特徴です。
取り扱い上の注意点
クォーツの多くは、日常生活で使用するのに適している宝石の一つです。ただし、クォーツの種類によっては、保管方法に注意が必要なものもあります。ここでは、お手入れ方法と保管方法についてご紹介します。
お手入れ方法
普段のお手入れ方法は、使用した後にやわらかい布で拭きます。汚れがとれない場合は、水を張った洗面器の中で、磨いて汚れを落としましょう。最後によくすすぎ、水分をしっかり拭き取ってから自然乾燥させます。自然乾燥をさせる場合は、紫外線の当たらない場所にしましょう。急激な温度変化によって割れる可能性があるため、ドライヤーなどを使わないようにします。汚れがどうしても落ちない場合は、宝石店などで洗浄してもらうことをおすすめします。
保管方法
クォーツの中には、紫外線が原因で退色するものがあります。そのため、紫外線の当たらない場所に保管しましょう。特にクリソプレーズなどは紫外線によって、鮮やかな色合いが退色しやすいでの注意が必要です。
また傷つきやすいものも多いため、ダイヤモンドなど硬い宝石と一緒に保管しないように注意しましょう。
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クォーツについて知ろう
クォーツという鉱物は、とても多くの種類がある宝石です。内包物や不純物などによって、色や特性が異なります。さらに複雑な模様になるなど、奥が深い鉱物として知られています。種類が豊富なので、自分の好みやファッションに合わせて身に着けることができます。ぜひ、自分にぴったりのクォーツを身に着けて楽しんでください。