モルガナイトとは?特徴や石にまつわる伝説を知ろう
モルガナイトは、エメラルドと同じベリルの一種です。ピンクからオレンジピンク色の可愛らしい色合いから、幅広い年齢層の方に人気があります。本記事では、モルガナイトの概要や歴史、品質の決まり方やお手入れ方法などをご紹介します。
モルガナイトとは
モルガナイトは、1911年にマダガスカルで見つかった石です。ピンクからオレンジピンクの色合いをしているのが特徴です。ベリルという鉱物の一種です。ベリルには他にも、エメラルドやアクアマリンなどにさまざまな宝石があり、「宝石の母」とも呼ばれています。モルガナイトは、ローズクォーツなどと同様に平板上の結晶をしているといわれています。しかし、その光沢や輝きはローズクォーツなどとは全く異なるものです。
モルガナイトは、そのやさしい色合いから「愛を育む」「思いやる心を育てる」など、愛に関係する石として知られています。モルガナイトを身に着けることで、謙虚で穏やかな愛が育まれると信じられてきました。また持ち主の魅力を引き出すことで、愛し愛される人物に導いてくれるといわれています。そのため、欧米では、モルガナイトをエンゲージリングに用いることもあるそうです。
透明度が高いモルガナイトは、カットによって輝きが増し、モース硬度も7.5から8あることから、ジュエリーとして使われる宝石としては十分とされています。
モルガナイトは4月の誕生石
モルガナイトは、2021年に新しく4月の誕生石に指定されました。ここでは、モルガナイトの名前の由来となったモルガン氏の誕生月が4月であることと、日本を代表する花である桜の色合いを持つことから指定されたとされています。そのため、桜の季節にぴったりのアクセサリーやジュエリーを身に着けたい方や、4月が誕生日の方へのプレゼントとしてもおすすめです。
モルガナイトは桜の花を連想させるような、やさしい色合いで知られています。これはマンガンが含まれているからだとされています。含有量の違いにより、ピンクからオレンジ色まで色が変化します。マンガンを多く含むとショッキングピンク色になりますが、そちらはレッドベリルと呼ばれ、区別されています。
モルガナイトの語源
モルガナイトという名前は、宝石の研究に多額の支援をしてきた、ジョン・ピアポント・モルガン氏にちなんで名付けられました。当初、世界的に有名なジュエリーブランドであるティファニーの宝石学者であるジョージ・フレデリック・クンツ博士が、モルガン氏に敬意と感謝を込めて提案しました。その後、所属していた科学協会のニューヨーク科学アカデミーで正式に承認されました。
モルガナイトの主な産地
モルガナイトの主な産地は以下の通りです。
・ブラジル
・マダガスカル
・アメリカ
・モザンピーク
・イタリア
中でも最大の鉱山は、ブラジルのミナジェエライス州のペクマタイト鉱山とされています。モルガナイトの原石は大きなサイズで発掘されることもあり、ブラジルでは、10㎏を超える原石が見つかったこともあるそうです。
またモルガナイトは産地鑑別がとても困難とされています。モルガナイトに限らず、宝石の産地を特定するのはとても難しいとされているのです。これは、宝石は数千年、数億年前に生まれたものであり、その時代は今とは大陸の形が異なります。そのため、正確な産地を鑑別のみで行うのは難しいとされているのです。宝石の産地を特定するには、石の内包物や構成部分の割合の傾向を分析するという方法があるとされています。鑑別機関は、さまざまなサンプルのデータを集めることで、内包物の成分の割合を統計的に特定できるようになりました。しかし、特定できる宝石は、ルビー、サファイア、エメラルド、レッドスピネル、アレキサンドライト、パライバトルマリンの6種類だけだとされています。そのため、モルガナイトを鑑別だけで特定するのは、困難だとされているのです、
モルガナイトの歴史
モルガナイトはもともと、ピンクベリルやローズベリルと呼ばれていました。モルガナイトが最初に発見されたのは1910年にマダガスカルとされています。この時、ティファニーのジョージ・フレデリック・クンツ博士が、さまざまな鑑定を行い、新しい性質を発見します。そして1910年12月に、実業家であるジョン・ピアポント・モルガン氏に敬意を込めて、ピンク色のベリルに「モルガナイト」という名前を付けることを提案しました。そして、その後正式に承認され、現在のモルガナイトという宝石が生まれたのです。
またモルガナイトと名付けられる以前の1989年10月7日、モルガナイト最大の標本の1つが見つかっています。アメリカのメイン州にあるバックフィールドのベネット採石で発見されました。ややオレンジがかった色合いをしており、長さ23~30㎝とされています。この大きな結晶は50ポンド以上(約23㎏)になるとされており、「メイン州のバラ」と呼ばれてきました。
モルガナイトのカラー
モルガナイトのカラーバリエーションには以下が挙げられます。
ピンク | パステルピンク |
ローズピンク | サーモンピンク |
モルガナイトの色の範囲は、ピンク、パステルピンク、ローズピンク、サーモンピンクなどがあります。ピーチとサーモンのような薄い色合いよりは彩度の高いピンク色のものが好まれる傾向にあります。ただし、一部のコレクターの間では、熱処理されたものよりも、未処理の天然な色合いのものの方が、価値があるとされています
ほとんどのモルガナイトは、ピンクをもっと鮮やかにするために熱処理が施されます。熱は黄色やオレンジの色合いを取り払い、より純粋なピンク色になるとされています。処理を施された色は安定しており、退色することはありません。モルガナイトは処理の有無が科学的に証明できないものがほとんどです。そのため、鑑別書には「熱処理が行われています」と記載されます。この処理によって、価値は変わることはほとんどないとされています。
モルガナイトとペツォッタイトの違い
モルガナイトと同じピンク色の宝石に、ペツォッタイトがあります。ペツォッタイトは、かつてはベリルの変種とされていましたが、2003年以降に新しい鉱物として承認されました。ペツォッタイトは、セシウムを多く含んでおり、モルガナイトよりも赤みが強いものが多いのが特徴です。
この2つの大きな違いは、透明度といわれています。モルガナイトは透明度が高いですが、ペツォッタイトは白っぽい内包物が含まれている場合が多く、比較的透明度が低いものが多いです。そのため、モルガナイトとペツォッタイトを見分けたい場合は、まず透明度や内包物の有無などを確認してみましょう。ただし、中にはよく似たものもあるため、完璧に判断できるわけではありません。そのため、きちんとどちらか知りたい場合は、鑑別機関に依頼することをおすすめします。
モルガナイトの品質の決まり方
カラー
カラーは、モルガナイトの品質を決定する中で最も重要とされています。最も高い評価を受けるのは、青みが強く彩度が高いピンク色のものとされています。一般的にはオレンジ色がかった色の薄いものが多いため、最高品質のものはめったに出回らないといわれています。
クラリティ
透明性も大切です。アクアマリンなどの緑柱石などと同様に、多面的なモルガナイトは内包物が少ないとされています。そのため、透明度の高いものほど価値が高いとされているのです。ただし、大きいサイズでは内包物が見られる可能性が高くなります。そのため、目に見えるような内包物がたくさん含まれている場合、彫刻にしたり、カボションカットに加工されたりします。
カット方法
モルガナイトは、明確な多色性を持つ宝石です。そのため、それを分かりやすく輝かせるために、配向させる必要があるとしています。モルガナイトは強い色合いを持っているものは稀なため、ユニークなデザイナーカットを施されることもあります。淡い色の場合は色を強めるため、少し深めにカットされものも多いです。
カラット重量
モルガナイトはさまざまサイズのものがありますが、一般的に、標準のジュエリーの枠に合うように規格サイズにカットされたものが多いです。また、モルガナイトの結晶は時として非常に大きくなることもあります。そのため、大きなファセットカットの宝石が、他の宝石に比べて多く出回っています。大きなサイズのものほど、強い色を示す可能性が高いとされています。
モルガナイトのお手入れ方法
モルガナイトは日々丁寧にお手入れをすれば、きれいな輝きを長持ちさせられます。普段のお手入れとしては、身に着けたあとに、やわらかい布でホコリや汚れなどを拭き取りましょう。少し汚れや気になった場合は、ぬるま湯で洗います。汚れがひどい場合は石鹸水を用いましょう。洗ったあとは、しっかりタオルで水気を拭き取ります。近年では、ジュエリー用のブラシや洗剤なども販売されているので、そちらを利用してみるのもおすすめです。
また、保管する際には他の宝石と一緒にしないようにしましょう。特にダイヤモンドのような硬度の高い宝石と一緒に保管すると、傷が付いてしまう可能性があります。ジュエリーはお互いが触れないように、保管することをおすすめします。
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美しいモルガナイトを身に着けよう
モルガナイトは多様性のあるピンク色の色合いをしており、多くの人に愛されています。また硬度も高いことから、毎日着けるジュエリーとしても人気があります。4月の誕生石としても知られており、プレゼントにもぴったりです。さらに、愛に満たされた石としても人気があります。持ち主に愛を届けたり、恋愛や人間関係を良好にしたりと願っている人にもおすすめです。可愛らしいピンク色を、ぜひ新しい季節に身に着けてみてはいかがでしょうか。