ミスティックトパーズとは?普通のトパーズとの違い

2021-03-29

ミスティックトパーズという宝石の名前を聞いたことがあるでしょうか。なんだか不思議な響きですよね。

ここでは普通のトパーズとの違いや、ミスティックトパーズのさまざまな魅力について詳しくご紹介していきますので、はじめて聞くという方だけでなく、もうすでにご存じの方も改めて、その魅力について理解を深めていただければと思います。

ミスティックトパーズと普通のトパーズの違い

まずはじめに、ミスティックトパーズと普通のトパーズの違いについてご説明します。

トパーズとは

トパーズとはケイ酸塩鉱物に分類される鉱物で、和名では黄玉(おうぎょく)と呼ばれ、11月の誕生石としてもよく知られています。パキスタン、ロシア、アメリカなど世界各地で産出され、イエロー以外にも産地によって無色透明やブルー、赤みがかったオレンジやピンクなどさまざまですが、特にブラジルのミナスジェライス州は、世界で最も大きな産地として有名です。

石に含まれる成分によって大きく2つのタイプに分けることができ、フッ素(F)が多く含まれるタイプを「Fタイプ」と呼びます。無色透明のものから茶色のものが多く、採掘されるトパーズのほとんどがこのFタイプですが、中にはごく薄いブルーをしたものも見つかります。

またFタイプのものは熱や光によって色が変化するという特徴を持っているため、太陽の光に長時間あててしまうと、褪色してしまいます。反対にこの性質を利用して、加熱処理や照射処理を施すことでブルーを定着させたり、グリーンなどの色を持たせたりすることもできます。

もう1つが水酸基(OH)を多く含む「OHタイプ」です。OHタイプは屈折率が高いため美しく、Fタイプに比べて光による褪色もにしくいとされています。黄金色からオレンジ色、オレンジッシュピンク、パープルやピンク、レッドなどの色合いを持ち、「インペリアルトパーズ」とも呼ばれます

その色の多彩さからなのか、かつてトパーズは他の宝石と混同されていた歴史もあります。トパーズの名前の由来とされる1つに、紀元前に霧深い紅海の島で採掘されていたことを起源とする説がありますが、実はその島で採れていたものはペリドットだったといわれています。日本でも西洋の鉱石学が伝わるまで、トパーズと黄水晶(シトリン)との区別がされていなかったという話があります。他にもトパーズはダイヤモンドやルビー、サファイアに次いで硬いため、純度が高く無色のトパーズがダイヤモンドであると考えられていた、という話もあるそうです。

ミスティックトパーズとは

古くから親しまれているトパーズですが、ミスティックトパーズの歴史はもっと新しいもので、1998年に行われた香港でのショーで初めて登場しました。

その色味は「ミスティック」の名にふさわしく、ブルーやグリーン、イエロー、パープル、ピンクといったさまざまなカラーが1つの石の中に複雑にきらめく、万華鏡のような色合いです。光の当たり方や見る角度によって色の見え方が変わることを遊色効果と言いますが、その様はさながら北欧の夜空に揺らめくオーロラのようであるとも表現されます。

2003年にアメリカで行われた宝石ショーで人気が急上昇し、今ではミスティックトパーズを使用したジュエリーも、以前よりずいぶんと目にするようになりました。

ミスティックトパーズは、先ほどご説明したFタイプに分類することができます。のちに詳しくご紹介しますが、Fタイプの無色透明のカラーレストパーズ(ホワイトトパーズ)にチタニウムを蒸着させることで、このような幻想的で美しい色合いを出すことができるのです。

多くの宝石と同様に、パワーストーンとしての意味や石言葉も持っており、1月22日の誕生石とされているほか、石言葉は「魅惑の輝き」とされ、七色に輝くことから、持ち主の才能・個性を引き出してくれるという意味を持つと言われています。

ミスティックトパーズの別名

ミスティックトパーズは、その色彩から「レインボートパーズ」と呼ばれることもあります。その他にも「ミスティックファイアートパーズ」「アラスカトパーズ」「アラスカの氷」など、数多くの呼び名を持っています。

またグリーンやパープルの割合が多い印象ですが、最近ではコーティング処理の具合によって、カラーバリエーションに富んだものも増えており、その色味に合わせてさまざまな商品名がつけられていることもあります。

たとえば、オレンジの中にピンクやイエローがきらめく「トワイライトトパーズ」、ブルーを基調とした中にパープルやグリーンを含んだ「ネプチューントパーズ」「ブルーパッショントパーズ」などです。また、より繊細でクリアなきらめきの「マーキュリーミスティックトパーズ」や、夜空の星を思わせる色味を持った「カシオペアトパーズ」という名前のものもあります。

カラーになぞらえた美しくロマンティックな名前が多いですが、その幻想的な色彩をひと目見れば、思わずうっとりするような名前をつけたくなるのも頷けます。

ミスティックトパーズの作り方

ブルートパーズは放射線処理を施すことであの美しい青色を生み出しますが、この七色に輝く色彩も、天然のトパーズに人工的な技術を施すことで生み出しています

先ほども少しお伝えしましたが、カラーレストパーズ、あるいはホワイトトパーズと呼ばれる無色透明の天然トパーズに、チタニウム照射技術を用いてコーティングを施します。この技術は、1970年にアメリカのアゾティック社が確立し特許を登録するまでは、多くの失敗を重ねて来た歴史もあり、非常に難しい技術であることがうかがえます。

この技術を用いてミスティックトパーズを作る会社は他にもありますが、アゾティック社のものと比べると色合いや品質には差があるといわれています。また高い品質と色合いを持つアゾティック社のミスティックトパーズは、入荷までに通常でも3~4ヶ月はかかるほど強い人気があり、アゾティック社製のものだけを「アゾティックトパーズ」と呼んで区別することもあります。

ミスティックトパーズを持つメリット

ジュエリーには、見るだけで心を潤してくれたり、華やかな気持ちにさせてくれたりとさまざまなメリットがありますが、ミスティックトパーズを持つメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

宝石を持つ場合、石の価値自体にメリットを感じる以外にも、たとえば誕生石やパワーストーンを「お守り」として身につけたり、石の持つ意味に自分の想いを重ねたりすることでメリットを感じるケースもあります。

親から子へ、子から孫へと代々受け継いでいくことで、ジュエリーを持つことそのものに価値が生まれることもあります。

ここでは、いくつもの宝石の中から特にミスティックトパーズを持つメリットについて、2つご紹介します。

周りに印象を与えやすい

ミスティックトパーズの魅力はなんと言っても、他に類を見ない印象的で不思議な色合いを持っているという点ではないでしょうか。見るたびに違う表情を見せてくれるミスティックトパーズは、小さいものでもとても美しく、そのきらめきが胸元にひとつあるだけでも、周りの目を引くことができるでしょう。ミスティックトパーズを好む人からは、やはりその美しい色合いに心を奪われたという声が多く聞かれます。

またカラーバリエーションが豊富なため、同じミスティックトパーズでもまったく違った印象を与えることができます。ある時はエキゾチックな輝きのミスティックトパーズで優美な印象を与えたり、ピンクやオレンジ系のミスティックトパーズで、優しく華やかなイメージをまとってみたりと、その日の気分でいろいろ楽しんでみてもいいでしょう。

どのカラーのミスティックトパーズでも、その中でちらりと揺らめく多彩な色がさまざまな表情を見せてくれるので、身につける人の魅力をより一層引き出してくれるでしょう。

流通量が少なく希少

人気が出たとはいえ、ミスティックトパーズの流通量は他のトパーズと比べるとまだまだ数が少なく希少な石です。またミスティックトパーズを使用したジュエリーも、他のジュエリーに比べるとあまり多いとは言えません。特に先ほどご紹介したアゾティック社のミスティックトパーズは、受注残を抱えているほど人気で、手に入れるのは困難です。

そんな希少な宝石をあしらったジュエリーを身につければ、より一層特別な気持ちになれますし、シンプルなデザインであっても他の人と被ってしまうことがありません。このような「特別感」もミスティックトパーズを身につけるメリットではないでしょうか。

ミスティックトパーズの注意点

ミスティックトパーズのジュエリーを扱う際には、少し注意が必要です。とはいえそこまで神経質になるほどのことはなく、普段のちょっとしたことに注意すれば、ミスティックトパーズの美しい輝きを長く楽しむことができます。

ミスティックトパーズの注意点についてもご説明します。

割れやすい

ミスティックトパーズに限らずトパーズ全般に言えることですが、トパーズはモース硬度8と硬い鉱物ではありますが、衝撃に対しての強度を表す靭性は5であり、衝撃にはあまり強くありません。

また「へき開性」という特徴を持っている鉱物でもあります。「へき開」とは、鉱物の結晶構造の中で結合力の弱い部分に沿って割れる性質のことで、「へき開性」を持つトパーズは特定の方向に割れやすいため、強い衝撃が加わると、亀裂が入ったり割れてしまったりする危険性が高いのです。

そのため、たとえばスポーツをする際や、重いものや硬いものを運ぶといった、何かに強くぶつける可能性がある場合には、必ず外してから行うようにしなければなりません。

こまめなケアが必要

ジュエリーを取り扱う際には、日頃のこまめなケアも必要です。ミスティックトパーズのコーティングは、日常的な摩擦に対してはある程度の耐性を持っていますが、強くこするようなことは避けた方がいいでしょう。

身につけたあとのお手入れの方法は、オパールや真珠などと同じように、きれいでやわらかい布で優しく拭いてあげるのがベストです。どうしても気になる汚れがある場合は、中性洗剤をぬるま湯にとかして汚れを浮かせてから、乾拭きと同じようにごく優しくこすります。ブラシを使用する場合は、やわらかい毛先のものを選ぶようにします。汚れを落としたら、洗剤成分を水でよく洗い流し、水気を拭き取ります。この時も、優しく拭き取ることがポイントです。

研磨剤で磨くことやバフでの研磨を行うことは厳禁です。色合いを損ねてしまうだけでなく、透明度にも影響してしまう可能性があります。熱湯やスチームクリーナー、超音波洗浄などを使用することも避けましょう。

ミスティックトパーズならオールジュエリー

普通のトパーズとはまったく異なる、ミステリアスな輝きで見る人の心を惹きつけるミスティックトパーズは、数ある宝石の中でもぜひ1つは持っておきたいジュエリーと言えるのではないでしょうか。

ミスティックトパーズのジュエリーをお探しなら、「オールジュエリー」をご利用ください。約8,000点もの高品質ジュエリーを取り扱うオールジュエリーでは、大粒のペンダントトップやプレゼントにおすすめのリング、普段使いしやすいデザインのピアスなど、ミスティックトパーズをあしらったジュエリーを複数取り揃えています。

自分用に購入するのはもちろん、大切な方へのプレゼントにもおすすめです。オールジュエリーでは、ギフトボックスによるラッピングも無料で行っていますので、ぜひそちらもご活用ください。

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ミスティックトパーズを身につけよう

光の加減でオーロラ色にきらめき、またカットのデザインや石を覆う台座によっても表情を変化させるミスティックトパーズ。その不思議な色合いは、見ているだけで華やかな気持ちにさせてくれるうえ、日常のコーディネートに合わせればおしゃれがぐっと引き立ちます。ちょっとしたお呼ばれの席や特別な日の装いにもぴったりで、シーンを選びません。

年代を問わずおすすめしたいジュエリーの1つです。ぜひお気に入りのデザインを見つけて身につけてみてはいかがでしょうか。