ルビーは美しい赤色をした宝石!特性や産地を知ろう
ルビーは宝石の女王と呼ばれるほど、赤く美しく輝く姿が特徴の宝石です。長い歴史があり、古くから多くの人に愛されてきました。ルビーの強く赤い輝きは、勝利や生命力を意味するとも考えられており、力強さも感じられます。本記事では、ルビーの概要や特性、主な産地、種類についてご紹介します。
ルビーとは
ルビーは「宝石の女王」と呼ばれるほど、多くの人々を魅了してきたカラーストーンです。ルビーはラテン語で赤を表す「ルフス」という言葉からきているという説があります。日本語では「紅玉」と表現されます。
ルビーは7月の誕生石
ルビーの燃えるような美しい赤い色は、深い愛の象徴とされ「情熱」「勇気」「純愛」といった意味を持ちます。ポジティブな言葉を持ち、7月の誕生石でもあるため、7月生まれの方へのプレセントとしても適しているでしょう。
また、結婚40年目を迎えた夫婦のお祝いとして「ルビー婚式」というものがあります。ルビーは、非常に硬度が高く丈夫な宝石であることから、固い絆の証とされています。ルビー婚は日本ではあまり知名度は高くありませんが、夫婦の絆を確かめ合う良い機会とされていますので、ルビーをプレゼントすることを考えてみてはいかがでしょうか。
ルビーの特性
ルビーはサファイアと同じコランダムという鉱物からできています。コランダムは酸化アルミニウムの結晶からできている鉱物で、純粋な状態では無色透明となります。そこに約2%の酸化クロムが内包されることにより、赤色の状態になるとされています。
ここに鉄やチタンが入り込むと青色のサファイアとなります。ただし、サファイアは「赤色以外のコランダム」を指すため、一般的なイメージの青色だけでなく、イエロー、ピンク、グリーンなどのサファイアもあります。コランダムの中で赤色になったものだけが特別にルビーと呼ばれるのです。
コランダムに酸化クロムが結びつくこと自体珍しいため、ルビーの産出量は他の宝石と比較すると非常に少ないとされています。そのため、今後もルビーは希少価値が高い宝石として扱われるでしょう。
ルビーの主な産地
ミャンマー
ルビーの中で最も高価とされるピジョンブラッドを産出する場所として有名です。ミャンマー産のルビーは他のアジア各国と比べて、約1/10しか産出しないとされています。そのため、非常に高価な値が付くことも珍しくありません。
代表的な鉱山としてモンスー鉱山が挙げられます。モンスー鉱山から産出されるルビーの原石は、中心部に濃い青みを帯びており、加熱処理することで非常に美しい赤色になるとされています。
ベトナム
1990年代からベトナムでも産出されるようになりました。大理石から発掘されますが、原石中にある双晶面により透明度が低くなるため、透明度の高いものは希少であるとされています。
タイ
1960年代後半にタイのチャンタブリ地区で大量にルビーが発見されたことから、市場のシェア率が一気に高まった国です。1970~80年代のルビーを使ったジュエリーの多くは、タイ産であったとされています。またルビーの黒みを取り除く技術が開発されたことから、より鮮やかなルビーも登場しました。
モザンビーク
モザンビークは比較的最近発見された産出地です。2009年に、モザンビークのモンテプエス地区にある砂礫層から大量のルビーが発見されました。さらに、そのすぐ下にもルビーの鉱床があることが分かり、世界最大級といわれています。モザンビークのルビーは、ミャンマー産のルビーと比較すると、ややオレンジやパープルを帯びた赤色のものが多いです。
スリランカ
スリランカはルビーを含めたさまざまな宝石の産出地として知られています。日本の約1/6の国土面積ですが、そのうち1/4ほどが宝石産地となっています。スリランカ産のルビーは、ピジョンブラッドなどと比較すると明度が高く、ピンクがかったものが多いとされています。
ルビーの歴史
ルビーの歴史は非常に古いとされており、一説によると青銅器時代にはすでに発見されていたと考えられています。しかし古代においては科学的な組成などは分からなかったため、ガーネットやレッドスピネルなど、赤く見える宝石は全てルビーとされていました。特にレッドスピネルはルビーとよく似ているため、ルビーとは明確に別物だと分かったのは18世紀になってからだとされています。この解明に伴い、大英帝国の王冠に飾られていたルビーが、ルビーではなくスピネルだということが分かりました。
古代ローマでは、軍神マルスが宿り、力と行動力を高めて危険を知らせてくれる宝石だと信じられていました。そのため、戦場に赴く兵士たちの多くはルビーを身に着けていたそうです。
またルビーに関わる伝説として有名なのが、ルビーの色が変わって持ち主に危険を知らせるという言い伝えです。英国王ヘンリー8世の妻であったキャサリンの持っていたルビーが次第に色あせていき、不思議に思っていたところ、王は他の女性と再婚を決めてしまったのです。そしてキャサリンは監禁されてしまうこととなりました。当時のカトリックでは離婚が認められていなかったためです。その後、ヘンリー8世は離婚のためカトリックから離れることとなりますが、この行動が歴史的にも大きな転換点となりました。宝石自体が人々の人生を左右させたわけではありませんが、非常に興味深いエピソードとして今日まで語り継がれています。
ルビーの種類
ここではルビーの種類や色合いなどについてご紹介します。
種類名 | 特徴 |
ピジョンブラッド | ミャンマーで産出される最も希少価値の高いルビー。約1%の絶妙な酸化クロムの量が、鮮やかでありながら妖艶な美しさを放つピジョンブラッドを完成させる。鳩の血の色と似ていることから「ピジョンブラッド」の名が付けられた。ルビーの中で最高級品とされ、権力や財力の象徴として扱われていた。特にミャンマーのモゴック鉱山から産出されるルビーは高品質かつ希少なため、高額な価格を付けることも珍しくないとされる。 |
スタールビー | ルビーの原石の中に「シルク・インクルージョン」と呼ばれる内包物が入り込んだもの。原石にカボションカットを施すことで、星の輝きのような6条の線が浮かび上がることがある。このルビーはスタールビーと呼ばれる。特定のルビーにのみ表れるもののため、希少性が高いのが特徴。ミャンマー産も鮮やかな赤色のものが、価値が高い。さらに線が細く、中央から側面に向かって6条の線がくっきりと浮かび上がっているものほど希少とされる。 |
ビーフブラッド | ビーフブラッドは、ピジョンブラッドよりも黒みがかっており、落ち着いた色合いが特徴。高級さを感じさせる色合いだが、価格はピジョンブラッドの半分ほどであることが多い。ビーフブラッドも希少価値が高いため、めったに産出されない。 |
チェリーピンク | 最も明るい色合いのルビー。ピジョンブラッドやビーフブラッドと比べるとピンクに近い。これは含有されるクロムの量が非常に少ないとされるため。ピンクのような淡い赤色が美しく、ファッションに合わせやすいことから人気のあるルビーでもある。 |
ルビーの中でも最上品質とされるのがピジョンブラッドです。ビーフブラッドも決して安い価格帯の宝石ではありませんが、ピジョンブラッドと比べると半値ほどとなります。これはビーフブラッドが安いのではなく、それだけ高品質のピジョンブラッドが希少であることとされているためです。
ルビーの品質の決まり方
ルビーの品質は、主に「色」「内包物」「輝き」の3点で評価されます。特に重要なのは色とされています。
ルビーの色
ルビーは色が濃いほど価値が高いとされています。ただし、濃すぎて黒みが強すぎても価値は低くなります。深く鮮やかな色合いのものが良いとされています。
ルビーの色味は産地によって異なります。ルビーはさまざまな国から産出しますが、中でもミャンマー産のものが良質といわれています。ミャンマー産のものの中でも、最高品質のものがピジョンブラッドと呼ばれる宝石です。
ルビーの内包物
色の次に重要とされているのが、内包物です。ルビーは内包物の多い宝石とされているため、内包物が少ないものの方が、価値が高いです。ただし、ルビーが赤くなる原因でもある酸化クロム自体も内包物といえるので、美しさを損なわなければそこまで評価が下がるということはありません。
ルビーの輝き
透明感のあるルビーの方が、価値が高いとされています。内包物があったとしても、透明感があり鮮やかに輝くルビーであれば評価は高くなるでしょう。
ルビーのお手入れ方法
ルビーは耐久性に優れている宝石のため、傷や割れに関して過剰に心配する必要はありません。しかし、日々丁寧にお手入れをすることで、きれいな状態を長持ちさせられるでしょう。
普段のお手入れとしては、身に着けたあとやわらかい布でホコリや汚れなどを拭き取りましょう。少し汚れが気になった場合は、ぬるま湯か水で洗浄します。汚れが気になる場合は、中性洗剤とやわらかいブラシを使って洗浄しましょう。ブラシは毛先がやわらかいものを利用し、こまかい凹凸にそって汚れを落とすようなイメージでやさしくこすります。洗浄後はしっかりと水洗いを行い、細部までタオルで水気を丁寧に拭き取りましょう。
また、ルビーが太陽光に当たると退色する可能性がありますので、お手入れ後は太陽光の当たらない場所で保管しましょう。
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宝石の女王ルビーを身に着けよう
ルビーは宝石の女王と呼ばれるほど、古来より人々を魅了してきました。中でもミャンマー産のピジョンブラッドと呼ばれる宝石は最高級品とされ、非常に高い値が付けられています。ルビーは非常に価格差がある宝石でもあるため、普段使いにぴったりのジュエリーも多く販売されています。ぜひ赤色が映える美しい宝石、ルビーをコーディネートに取り入れてみてはいかがでしょうか。