アレキサンドライトは天然と人工でどう違う?

2021-03-12

「昼のルビー」、「夜のエメラルド」とも呼ばれるアレキサンドライトは、その美しさから宝石通の中でもとても人気のあるジュエリーです。

ところで、アレキサンドライトにも天然、人工、そしていわゆるシンセティックと呼ばれる人造のものがあるのをご存じでしょうか。この記事ではその魅力とそれぞれの違いについてご紹介します。

アレキサンドライトとは?

そもそもアレキサンドライトとはどのようなジュエリーなのでしょうか。その魅力についてご紹介します。

アレキサンドライトの特徴

ロシアでは「宝石の皇帝」と呼ばれ、非常に希少価値の高いジュエリーです。最大の特徴は光によって色が変わるところにあり、ろうそくの火であればすみれ色や紫色、深紅色、オレンジ色などに見え、日光の下では緑色がかった深い青色に見えるという特徴があります。その他にはLEDや白熱球、蛍光灯など様々な光源下で絶妙な色の変化が楽しめるでしょう。出かける時に身に着けると、昼と夜、また建物の光源によっても違った色みを楽しめるジュエリーです。

色の変化が良いものはジェムクオリティと呼ばれ、非常に希少価値の高いものです。色の変化が鮮やかで、そして変化した色がはっきりしていればいるほどその価値が高くなります。

アレキサンドライトは硬度も8.5と非常に高く、アレキサンドライトより硬いジュエリーはダイヤモンドとルビー、サファイアしかありません。へき開という一定方向からの衝撃で割れる性質がないため、非常に丈夫なジュエリーともいえるでしょう。

鉱物としてはクリソベリルに属し、光をあてると色が変わるクリソベリルをアレキサンドライトと呼びます。6月の誕生石でもあり、6月のジューンブライドとかけて婚約指輪としても人気の高いジュエリーです。

アレキサンドライトの歴史

一説では、アレキサンドライトは1830年に炭焼き人であったコシェフニコフがエメラルドを見つけたことにはじまると言われています。コシェフニコフがエメラルドを見つけたことから、その近くのロシアのウラル山脈の鉱山で天然のエメラルドの採掘がはじまりました。

エメラルドの採掘をはじめると、すぐに他の天然石も見つかったのです。その1つが日光の下で見ると深緑色なのに、ロウソクの火で見ると赤みがかる不思議なジェムストーンでした。

ジェムストーンが発掘されたのは、若き皇太子で1855年に皇位につくことになる皇帝アレキサンドル二世の誕生日である1830年4月23日だったともいわれています。そして、アレキサンドル二世の名にちなみ「アレキサンドライト」と名づけられたのだそうです。

このアレキサンドライトはロシア帝国軍の色である赤と緑を映し出すことからロシア中で瞬く間に人気になり、幸運を呼ぶ石と国中でもてはやされました。

天然?人工?アレキサンドライトの種類

多くの宝石には、天然のものと人工、人造のものなど、種類があります。では、アレキサンドライトにはどのような種類があるのでしょうか。

天然のアレキサンドライト

ジュエリーの価値を決める基準として通常は「透明度」「大きさ」「色」「輝き」の4つの要素がありますが、アレキサンドライトにはこの4つにプラスして「変光性」が加わります。国際的な評価基準では、基本カラーが青に近く、そしてカラーチェンジが赤に近いほうが高く評価されます。

また、その色のバリエーションは含有されているクロムに起因しています。含有されるクロムは原産地によって大きく異なるため、産地によっても価値が異なるのが特徴です。天然のアレキサンドライトは全産出量のうち約90%以上がブラジルのイマティタ鉱山で採掘され、小粒ながらも変色効果が大きいものが多く産出されています。

一方でロシアで産出されるものは大粒のものが多いのが特徴です。採れる量そのものは少ないため、「幻のロシアンアレキサンドライト」とも呼ばれ、一粒が大きいためその分希少価値がつき、高値で取引されています。

天然のアレキサンドライトは非常に希少であり、それぞれの結晶の美しさやカラットを最大限に引き出すようなカットを施すため、形や大きさが多様なことも魅力のひとつでしょう。明るい色合いのものはファセットカットを施され、インクルージョンがあるものはカボションカットという技術でカットされます。

再結晶アレキサンドライト(人工)

人工の宝石は天然のものと成分、構造、特性が同じもののことを指します。人工の宝石を作る場合は、再結晶化という工程が必要ですが、決して簡単にはできません。特にアレキサンドライトの融点は非常に高いため、特別な装置を必要とし、再結晶化させる際に細心の温度管理を必要とします。

最新の科学技術を駆使して作られる人工のものは、天然のものと変わらない美しさを放つという特徴がります。そのため人工の宝石でも、ジェムクオリティになるものもあります。質の高い人工の宝石は、天然のものと判別するために大がかりな装置を必要とするほどの品質の高さを誇ります。

アレキサンドライトは、天然物がなかなか市場に出回らないことに加え、天然と人工の判別が難しいため、人工のものも高い人気があります。

シンセティックアレキサンドライト(人造)

シンセティックアレキサンドライト(人造)は、アレキサンドライトと同じ変光性を持つ石す。非常に一粒のサイズが大きく、透明度が高いものも手に入りやすい価格で販売されています。このようにシンセティックとは天然石と同一成分ではなく、全く異なる素材のもので作られています

天然・人工・人造のアレキサンドライトの違い

前章では、それぞれの特徴をご説明しました。では天然・人工・人造のものにはそれぞれどのような違いがあるのでしょうか。

価格

まず1つ目に挙げる大きな違いは「価格」でしょう。当然ながら天然のものが一番希少価値が高く、価格も高値になります。

ただし、人工のものだからといって安いということはありません。先述したように人工のアレキサンドライトをつくるには高い技術や特殊な装置が必要です。それ故に生産コストが高くつくため、比較的高く取引されています。

人造(シンセティック)のものは、生産コストも抑えられるので比較的リーズナブルに購入することができます。

入手しやすさ

2つ目の違いは「入手のしやすさ」です。アレキサンドライトはパライバトルマリン、パパラチアサファイアと並んで「世界三大希少石」と呼ばれています。

天然のアレキサンドライトは非常に希少性が高く、入手も難しいでしょう。人工のアレキサンドライトも作る手間がかかるため、それほど多くは出回っていません。人造(シンセティック)のものは、大量生産もしやすく、安定的に市場に供給されるので比較的簡単に手に入れることができるでしょう。

価格からも分かるように、高価なものほど入手が難しくなります。

大きいサイズのものの希少性

3つ目のの違いは「大きいサイズのものの希少性」です。

アレキサンドライトの原石は、他の宝石と比較してもとても小さいという特徴があります。そのためカットすると1カラット未満になるものがほとんどで、それよりも大きい天然のものは非常に希少です。

人工であれば、高い技術は必要ですが大きいものを作ることはできるでしょう。人造のものは、どんなサイズのものでも作ることが可能です。そのため天然では手にすることが出来ないような大きさのジュエリーを作ることができるのです。

成分・構造

4つ目の違いは「成分と構造」にあります。

先述した通り人工のものは、天然のものを一度溶かして再結晶化させたものであるため、成分や構造は天然のものと同じです。一方で人造のものは、成分や構造は天然のものと全く異なります。

成分や構造が違うため、輝きや透明度もそれぞれで異なります。輝きや透明度については、次で詳しくご説明します。

輝きや透明度

5つ目の違いは「輝きや透明度」です。

天然である以上はインクルージョン(内包物)が必ずあります。このインクルージョンの有無が人工と天然を比較する際の一つの指標といっても良いでしょう。

また天然のものには細長いインクルージョンが並行に並んでいることがあります。そのインクルージョンによりキャッツアイ効果(猫の目のように輝く現象)が現れることがあります。このキャッツアイ効果のように特殊な輝きを持つ天然のアレキサンドライトであれば、さらに価値が高まる可能性もあります。

人造のものは、非常に透明度が高く、天然のようなインクルージョンはみられません。

人工石はまがいもの?人工石のメリット

人工石はまがいものであり、粗悪品というイメージをもつ人もいるでしょう。

しかし、天然のアレキサンドライトは非常に希少で高価なものです。その希少性から同じ大きさのダイヤモンドと同じぐらいの値になるものもあります。また産出されることが稀なため、市場価格も定まっていないのが現状です。

いくら憧れのジュエリーとはいえ、万一の破損や盗難を考えると天然のアレキサンドライトを日常生活でずっと身に着けるのはあまりおすすめできません。そこでおすすめなのが人工のものを身に着けることです。

欧米では「トラベルジュエリー」という考え方があります。これは、旅先での盗難されてしまったり、紛失してしまったりという万一の時に備えて天然のものと変わらない美しさの人工のジュエリーを身に着けるという習慣です

人工のものにも、天然のものにもどちらにも良いところがあります。それぞれシーンを使い分けて、人工のものは普段使いの「トラベルジュエリー」として利用するのがおすすめです。

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当店では、アレキサンドライトのアクセサリーも豊富にご用意しており、天然のものはもちろん、Syntheticアレキサンドライトのアクセサリーのご用意もあります。Syntheticアレキサンドライトは、アメリカの科学、鉱物学の科学者によって開発された合成アレキサンドライトです。天然のものの性質と非常によく似た作りになっており、天然のものと同様、光の色でストーンのカラーの変化を楽しむことができます。

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天然・人工を使い分けてアレキサンドライトを身につけましょう

アレキサンドライトは天然、人工問わず色の変化が美しく、使うシーンに応じてがらりと印象を変える魅力あふれるジュエリーです。普段使いに人工のものを、特別な時に天然のものをと使い分けるのも良いでしょう。ぜひ一度アレキサンドライトのアクセサリーを手に取ってみてください。