ゴールドメッキなら金属アレルギーの心配はない?

2021-02-25

アクセサリーを付けたことによって金属が触れたところが赤く腫れあがったり、かゆみをともなったり、熱をおびたりといった経験がある人もいるのではないでしょうか。その症状は金属が原因のアレルギーの可能性があるのです。

アクセサリーが好きな人にとって、痛みやかゆみを伴うこともあるアレルギーは非常に煩わしいものでしょう。アレルギーの人もそのような症状を気にせずにおしゃれを楽しめたら良いですよね。

この記事ではアクセサリーとして人気の高いゴールドメッキと金属アレルギーについてご紹介します。

金属アレルギーとは?

金属によるアレルギーになる人は年々増加しており、今後も増加するといわれています。原因の一つとして、昔よりも金属が身近な存在になったということがあげられるでしょう。金属を身につける機会が増えれば、アレルギーを持っていることに気付く機会も増えます

アクセサリーはもちろん、例えば虫歯治療の際に使われる銀歯などはイメージしやすい人が多いかもしれません。その他にも実は化粧品や食品などにも金属の成分が入っているものがあるのをご存じでしょうか。そのためアレルギーになりやすいのは男の人よりも圧倒的に女の人が多いというのも特徴だといわれています

アレルギーに配慮した製品も続々と増えていますが、まだ充分ではありません。販売・提供を行っている企業も、そしてそれを使用する消費者(罹患者)も金属アレルギーに関する知識が少ないというのも理由の一つです。

そもそもなぜ金属によってアレルギーが起きるのでしょうか。

金属アレルギーの症状

金属アレルギーには下記の2つのタイプがあるといわれています。

接触性皮膚炎
金属が直接肌に触れていることが原因で起こるアレルギーです。金属が身体に密着したり、汗をかいたりして発症します。

全身性金属皮膚炎
銀歯や食品などに含まれる金属が口内の粘膜や消化管を経て身体全体にまわったことが原因で起きるアレルギーです。症状があまりにもひどい場合は膿が出たり、全身に水ぶくれができたりする場合もあります。

アクセサリーはその特性上、皮膚と常に密着しています。そのため、接触性皮膚炎が起こりやすくなります

金属が原因で起きるアレルギーの具体的な症状として下記のようなものがあります。

  • 赤み
  • 発熱
  • 痛み
  • 発疹
  • かゆみ
  • 水疱

アレルギー症状が出るのを防ぐには下記のような対応をすることが大切です。

  • 夏場や運動をするときなど汗をかいたり、体温が上昇したりすることが予想される場面ではアクセサリーをはずす
  • 指輪やネックレスなど肌に長時間触れるものを選ぶ際には、アレルギーを起こす素材を避ける

金属アレルギーになりやすい金属

金属アレルギーの症状はすべての金属で起こるわけではありません。その人それぞれでアレルギーを起こす金属、起こさない金属があります。

また、一般的に金属アレルギーになりやすい金属、なりにくい金属があります。まずはアレルギーになりやすいものにどのような種類の金属があるのか紹介します。

イオン化しやすい金属はアレルギーを起こしやすい傾向があります。金属アレルギーの4大原因といわれているのが「クロム」「ニッケル」「コバルト」「パラジウム」です

特に「ニッケル」は安く入手でき、金属に対して美しいツヤを出す効果があります。そのため多くの装飾品に使われており、ニッケルによる金属アレルギーは多くの人でみられます。厚生労働省が行った「平成27年度 家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」の「金属のパッチテストの結果」によると、「ニッケル」に対して反応している人が圧倒的に多いという結果がわかっています。

最近では「ニッケルフリー」や「低ニッケル」を売りにしているアクセサリーもあります。

金属アレルギーになりにくい金属

では逆に金属アレルギーになりにくい金属について紹介します。

金属アレルギーになりにくい金属として「ロジウム」「インジウム」「銀」「プラチナ」「純金」「チタン」があります。これらの金属はさびにくいため、比較的金属アレルギーになりにくいのが特徴です。

特にチタンは最も金属アレルギーになりにくい金属とされています。ピアスをしている人であれば「チタンポスト」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。体内に埋め込む人口骨や医療用インプラントにもチタンが用いられています。

ただし金属アレルギーを起こしづらい金属は、絶対アレルギーにならないというわけではないので注意しましょう。特に銀やプラチナのアクセサリーはニッケルを混ぜて作っているものが多くあります。

またゴールドのアクセサリーは純金のみで作っているのではなく、イリジウムやルテニウム、パラジウム、銅を混ぜて作っているものが多いです。金属アレルギーの人がアクセサリーを購入する場合はアクセサリーに使われている金属について確認して購入すると良いでしょう。

ゴールドメッキはアレルギーに注意

ゴールドメッキは一見純金で作られたものと変わらず、美しい輝きを放つことから大変人気のあるアクセサリーです。しかしゴールドメッキのアクセサリーを使用する際、金属アレルギーを持つ人は注意する必要があります。その理由をご紹介します。

ゴールドメッキとは?どんなメリットがる?

まずゴールドメッキについて説明します。

ゴールドメッキとは電気処理によって金属に金の薄い膜をまとわせたものです。一見純金でできたものと見た目が変わらないにも関わらず、非常に安価でできるためアクセサリーとして人気があります。また重さも純金で作るよりも軽くできるため、アクセサリーだけでなく楽器や記念品など幅広い用途で使用されています。

ゴールドメッキ製品には純金製品と見分けるために「GP」という刻印が入ることもあります。また純金とゴールドメッキとの違いを見分けるための方法を紹介します。

磁石を近づけてみる
基本的にメッキは磁石に反応します。反応するものはゴールドメッキ、反応しないものは純金であると分けることが可能です。ただゴールドメッキの加工の仕方によっては反応しないこともあるため、磁石に反応するか否かだけで純金とゴールドメッキを分けることはできません。

重さで比べる
純金とゴールドメッキとでは同じサイズでも重さは全く異なります。ゴールドメッキ製品は軽く、純金は重いため、同じ大きさであれば重さを確認すればすぐにゴールドメッキか否か判断することができるでしょう。

ゴールドメッキの下の金属は?

ゴールドメッキの下は、真鍮と呼ばれる銅と亜鉛の合金の金属が多く使われています

元々ゴールドメッキのゴールドの部分は大変薄い膜であるため、変色したり、その膜自体が剥がれてくることもあるかもしれません。また傷がつきやすく、劣化してくると加工した金の膜が割れてくる可能性があります。

大切にしたゴールドメッキのアクセサリーがある場合はメッキが剥がれないように軽く拭いてメンテナンスをするのがおすすめです。その際にシルバーやプラチナ製品を磨くための磨きクロスは使用しないようにしましょう。ゴールドメッキ製品は非常にデリケートなため、シルバーやプラチナ用の磨きクロスだと研磨剤などが入っており、アクセサリーが傷ついて下の金属がむき出しになる恐れがあるのです。

ゴールドメッキアクセサリーの手入れは中性洗剤で洗い、柔らかい布やティッシュで拭くと良いでしょう。またジャケットや靴などと同じように、毎日使用するのではなくローテーション制で使用すると長持ちします。

ゴールドメッキが剥がれてしまい、大切なアクセサリーの劣化を防ぎたい場合はそのような使い方を意識すると良いでしょう。

メッキが剥がれて金属アレルギーの症状が出たときは

万一メッキが剥がれて、そのまま使い続けてしまい、赤みやかゆみの症状が出たらすぐに使用を中止しましょう。ゴールドメッキの下の金属によってアレルギーを起こしている可能性があります。ゴールドメッキであれば表面は金でアレルギーを起こしづらいと思うかもしれませんが、メッキが剥がれてしまうことで、メッキの下の金属と肌が触れてしまいアレルギーを起こすこともあります。

アレルギーの対策はまずはアレルギーの原因となるものを排除するのが第一優先です。その上でかかりつけ医に相談しましょう。

ゴールドメッキとゴールドフィルドの違い

ゴールドメッキとよく比較されるのがゴールドフィルド(金張り)があります。ゴールドメッキとゴールドフィルドにはどのような違いがあるのでしょうか。

両者の違い

ゴールドメッキとゴールドフィルドの違いはその層の厚さの違いです。ゴールドメッキは薄い金の膜なのに対し、ゴールドフィルドは総重量の5%の厚みがあります。

またゴールドフィルドは熱と圧力を加えて金を圧着しているため、ゴールドメッキのように皮膜がすぐに剥がれてしまうという心配はほとんどないというのが特徴です。ゴールドフィルドは耐久性に優れているため、装身具の素材やアクセサリーパーツのなどの宝飾品などに幅広く使用されています。

金属アレルギーならゴールドフィルドがおすすめ

ゴールドフィルドであれば金の層が非常に厚いため、下の金属がむき出しになる心配はほとんどありません。そのため、金属アレルギーが気になる方はゴールドメッキよりも金の層が分厚いゴールドフィルドのアクセサリーがおすすめです。

ゴールドメッキもそれ以外も!「オールジュエリー」

 

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ゴールドメッキの利点と金属アレルギーのリスクを知って身につけよう

金属アレルギーとゴールドメッキについて解説しました。

金属にはそれぞれ特徴があり、金属アレルギーになりやすいもの、金属アレルギーになりにくいものがあります。金属アレルギーは誰にでも発症リスクがあり、決して他人事ではありません。

そして金属アレルギーを持つ人がジュエリーを身につける手段の1つにゴールドメッキの施されたジュエリーを選ぶ方法がありますが、ゴールドメッキが剥がれてしまうと金属アレルギーを起こす可能性があるため注意が必要です。

メッキが施されているからといって油断せず、金属アレルギーには注意してジュエリーを身につけましょう。