「トパーズ」は11月の誕生石!トパーズが持つ意味や歴史を紹介

11月の誕生石としても一般的に知られるトパーズとは一体どんな意味を持つ宝石なのでしょうか。宝石としてのトパーズは知っていても、産地や石言葉、歴史などは知らない方も多いと思います。本記事では、トパーズの概要や歴史、カラーバリエーションなどをご紹介します。

トパーズとはどんな宝石?

トパーズは、黄色や青色に輝く宝石です。一般的には黄色やオレンジなど暖色系のものが有名ですが、すっきりとしたブルーのような寒色系や、ピンクのトパーズなども産出されています。ここでは、トパーズの石言葉や主な産地、カラーバリエーションなどをご紹介します。

トパーズの石言葉

トパーズの石言葉は、「成功」「誠実」「希望」「友情」などです。また邪気を遠ざける、治癒力のある石として信じられてきました。トパーズという言葉は、一説によると「炎」を意味するサンスクリット語の「タパス」とも、ギリシャ語の「topazos」に由来するとも考えられています。

またトパーズは和名で「黄玉」といわれており、一般的に黄色く輝いているのが特徴です。ただし、近年では、ブルーやピンクなどさまざまなカラーバリエーションのトパーズが誕生しています。

トパーズは11月の誕生石

トパーズは11月の誕生石の一つです。トパーズはカラーバリエーションが豊富なため、自身の好きな色を身に付けられるメリットがあります。

暖色系も寒色系もありますので、11月に誕生日を迎える方は、トパーズのジュエリーを選んでみてはいかがでしょうか。

トパーズの主な産地

トパーズの主な産地は、ブラジル、パキスタン、アメリカ、ロシアなど世界中にあります。その中でも重要な産地として知られているのが、2世紀以上にわたり採掘を行っているブラジルのミナスゼライス州です。この場所では、黄色、オレンジ、紫色、赤色などさまざまな色のトパーズが産出しています。

またパキスタン北西部は、ピンクトパーズの産出地です。小さな町であるカトラン近郊にあるグンダオ丘では、1972年から採掘が続けられています。カトラン周辺は多くピンクトパーズが産出されますが、中でも紫がかった色合いのものは特に人気があります。一部では「シクラメンピンク」と呼ばれており、高値で取引されています。

またトパーズは日本国内で産出し、唯一宝石にできる石とされています。昔、岐阜県の恵那郡苗木山で、水晶でもなく硬くて細工に困る石が採掘されました。当時の日本には鉱石学などがなかったため、誰もそれがトパーズとは分かりませんでした。そののち、その石が高額で取引されたことからそれが宝石であることを知ったとされています。岐阜県恵那郡のほか、滋賀県大津市でも産出しています。

トパーズの主な色

トパーズは無色、水色、黄色、オレンジなどさまざまな色相を持つ宝石です。無色のトパーズは産出量が多いため、加工を施して青色にすることもあります。またミスティックトパーズという虹色に輝くものもありますが、これは無色のトパーズに人工フィルムを貼り付けることで作られています。

さらに、トパーズは宝石内に含まれている「水酸基(OH)」と「フッ素(F)」の含有量によって修理が分けられます。水酸基(OH)が多いものは「OHタイプ」、「フッ素(F)」の含有量が多いものが「Fタイプ」とされます。OHタイプは、ピンク色やオレンジ色、Fタイプは青色や無色のものが含まれます。

また黄金色に輝くものが多いことから、シトリン(黄水晶)と混同されることも多いです。さらにシトリンは「シトリン・トパーズ」という名前で販売されることもあり、紛らわしさに拍車をかけています。両社は鉱物学的にも全く違う宝石とされています。硬度もトパーズが8、シトリンが7となっており、シトリンの方が安価で取引されています。

トパーズの歴史や伝説 

トパーズの歴史は古く、古来より多くの人に愛されてきました。ここではトパーズの歴史や伝説についてご紹介します。

トパーズの歴史 

トパーズは、紀元前の時代、紅海にある「トパジオス島」で採掘されていたといわれています。この島は地形の関係から周囲に霧が発生することが多く、簡単にたどり着くことができませんでした。そのため、ギリシャ語で「探し求める」を意味する「トパジオス」という名がつられたといわれています。しかし、実際にここで採掘されていたのはトパーズとよく似たペリドットだったのではないかとされています。

また古代エジプトでも、太陽神ラーを象徴する石として崇められていました。邪悪なものをはねのける力があると信じられており、魔よけやお守りとして身に付ける人もいたそうです。

トパーズにまつわる伝説

トパーズの伝説は古代ギリシャ時代にまで遡るとされています。ギリシャ人は、トパーズは力を与えてくれる宝石と信じていたそうです。またヨーロッパでは14〜17世紀ごろまでトパーズが邪気を払い、人の怒りを払拭できると考えられていました。

またインドの人は何世紀もの間、トパーズを心臓の上に着用することで、長寿や美しさ、知性を与えられると考えられてきたのです。

このようにトパーズは、世界中のさまざまな地域で、悪しきものを払い、自身の生命エネルギーを引き出してくれる宝石として愛しているのです。

トパーズのカラーバリエーション

トパーズは黄色が有名ですが、そのほかにもさまざまなカラーバリエーションがあります。ここでは、トパーズの主なカラーバリエーションについてご紹介します。

レッドトパーズ 

レッドトパーズは、ブラジルのほんの一部の地域でのみ産出されるトパーズです。希少性が高いことから、今度値上がりするのではないかと考えられています。鮮やかな赤色が特徴です。この赤色は、酸化クロムが内包物して入ることによって発色します。美しい赤色を発するものは希少価値が高いため、高値で取引されています。

ピンクトパーズ

ピンクトパーズは淡く華やかなイメージを与えてくれるトパーズです。産出量が少ないことから、インペリアルトパーズの次に希少価値が高いとされています。ピンクダイヤモンドやピンクサファイヤに似た色合いですが、比較的安価に手に入れることができます。硬度も高く傷がつきにくいため、日常的に使いやすい宝石といえるでしょう。

ブラウン系の色味が含まれず、ピンクの濃度が高いものが好まれます。またピンク色に輝いていることから「ローズトパーズ」とも呼ばれています。

インペリアルトパーズ

インペリアルトパーズは、トパーズの中で最も希少価値が高いとされています。鮮やかなピンクがかったオレンジ色をしており、気品を感じさせる佇まいです。

インペリアルの名前は、ロシアの皇族がロシアで産出されたインペリアルトパーズを皇族が独占的に使用すると主張したことからつけられたといわれています。またブラジルの皇帝であったペドロ2世が、ブラジルで生産量の最も高かったトパーズ鉱山に近い街を訪れた際に、赤みがかったトパーズを寄贈した説もあります。

混じりけがなく、色の濃いものが最上級とされています。「皇帝」の名を冠するほどに絶対的な美しさを体現しており、価格も高額な傾向にあります。

またインペリアルトパーズは、結婚23年周年の石とされています。23年目の結婚記念日には、インペリアルトパーズをプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

ブルートパーズ

ブルートパーズは、透明度の高い青色をしたトパーズです。一般的に、無色透明のトパーズに放射線照射などで加工を施し、青色をつけたものを指します。美しい青色を放つことから、近年人気が出てきました。無加工で青いブルートパーズもありますが、市場にはほとんど流通しないほど貴重品です。

色の濃く鮮やかなものほど評価が高く、高価になる傾向にあります。空のような青さのものは「スカイブルートパーズ」、紺に近い色のものは「ロンドンブルートパーズ」と呼ばれるとこもあります。また教養や知性を司る石としても知られており、勉学を頑張りたい人や、専門分野を極めたい人などにもおすすめです。

またブルートパーズは、結婚4周年の石でもあることから、夫婦のお祝いの石として贈られることもあります。

ホワイトトパーズ

無力透明なトパーズです。カラーレストパーズとも呼ばれることがあります。内包物がほとんどないため、ダイヤモンドのような輝きを楽しめます。ダイヤモンドより安価なことから、手軽にジュエリーを楽しみたい方にも向いているでしょう。

トパーズのお手入れ方法

トパーズの発色を保つためには、普段からのお手入れも大切にしましょう。ジュエリーとして身に付けたあとは、やわらかい布で全体を拭き取ります。汚れが気になる場合は、ぬるま湯につけて、優しく拭いたあと、水気をしっかりと拭き取ります。

トパーズは硬度8と高い硬度を持っているため、傷や摩耗に強いとされています。しかし強い衝撃を与えると、内部で亀裂が発生する可能性があります。超音波洗浄機などは使用しないようにしましょう。

また長時間日光にさらされると、黄色や茶色に近い色のものは色が褪せる可能性があります。また一部の化学薬品によって影響を受ける可能性がありますので、家事の時には外すようにしましょう。

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自分好みのトパーズを身に付けよう

トパーズは古代ギリシャの時代から愛され続けてきた宝石です。カラーバリエーションが豊富なことから、自分の好きな色やデザインが見つけやすいのが特徴です。また硬度も高いことから、日常使いにも向いています。11月の誕生石であることから、11月に誕生日を迎える人はもちろん、11月生まれの人への誕生日プレゼントとして贈ってみてはいかがでしょうか。