アレキサンドライトの硬度はどれくらい?お手入れ方法も紹介

アレキサンドライトは、太陽光と白熱灯の下で違う色を見せる神秘的な宝石です。また、硬度が高く、傷がつきにくい宝石としても知られています。では実際に、アレキサンドライトは宝石の中でどのくらいの硬度なのでしょうか。宝石の中でも一番硬いとされているダイヤモンドを比較するとどれくらいなのか、気になりますよね。本記事では、アレキサンドライトの硬度やお手入れ方法についてご紹介します。

 

アレキサンドライトの硬度

アレキサンドライトは、一般的な宝石の中でも硬度の高い宝石です。宝石の硬度を表すモーススケールでは8.5と高い数値となっています。これは、トパーズやルビーなどと同じくらいの固さです。そのため、日常生活の中で傷つきにくく、使いやすい宝石といえるでしょう。

 

モーススケールとは?

モーススケールとは、宝石や鉱物の硬度を示すものです。モース硬度は、鉱物が他の鉱物によって傷つけることが、相対的にどれだけ簡単、もしくは難しいかに基づいて作られています。アレキサンドライトのモース硬度は8.5で、優れた靭性を持っており、「劈開」がないとされています。劈開とは、衝撃で割れる性質を示しています。

一般的な宝石のモース硬度は以下のようになっています。

宝石名 モース硬度
ダイヤモンド 10
コランダム(サファイアやルビーなど) 9
アレキサンドライト 8.5
エメラルド、トパーズ 8
アクアマリン 7.5~8
トルマリン、ガーネット、シトリン 6.5~7.5
アメシスト 6.5~7
ペリドット 6.5
オパール、ムーンストーン 6
真珠 3.5

一般的なモース硬度は上記のようになっていますが、数値で見るように差が少ない訳ではありません。例えば、ダイヤモンドはサファイアやルビーと数値が一つしか離れていませんが、ダイヤモンドの方が何倍も硬いのです。

ジュエリーとして加工できる耐久性を持つものは、「貴石」と「半貴石」に分けることもあります。これは、昔「物品税」が導入されていた時代にあった分け方です。貴石は、ダイヤモンド、ルビー、エメラルド、サファイアなどのことを指します。貴石は主に硬度7以上のものをそう読んでいます。アレキサンドライトもこうした宝石と同程度の硬度を持つため、「貴石」に分類されます。硬度7が基準となったのは、日常使用に耐えられるかどうかに分けたためです。砂ぼこりにはクォーツが多く含まれているため、同じ程度の硬度である硬度7より下のものは、なかなか日常生活では使えないと考えられています。

 

硬度と靭性の違い

宝石の硬さを表すもう一つの数値が「靭性(じんせい)」です。靭性は、「割れや欠け」に対する硬さを表します。また、ねばり強さと言い換えられることもあります。そのため、一般的にイメージしやすい宝石の硬さは、靭性の方ではないでしょうか。一般的な宝石の靭性は以下のようになります。

宝石名 靭性
コランダム(サファイアやルビーなど) 8
ダイヤモンド 7.5
ペリドット 6
エメラルド 5.5
トパーズ 5

ダイヤモンドは、モース硬度では最も硬い宝石ですが、靭性ではそうではありません。ダイヤモンドは、表面の傷に対しては強いのですが、一定方向に割れやすい特徴を持っています。しかし、アレキサンドライトは、割れやすい性質もないため、割れたり、欠けたりすることは少ないでしょう。

 

アレキサンドライトの鉱物名

アレキサンドライトの鉱物名は「クリソベリル」と呼ばれています。クリソベリルに分類されるものには以下が挙げられます。

・クリソベリル

・クリソベリルキャッツアイ

・アレキサンドライト

・アレキサンドライトキャッツアイ

アレキサンドライトは、クリソベリルという鉱物的な分類で決まるのではありません。変色効果があることを認められて初めて「アレキサンドライト」に分類されるのです。クリソベリルの中でも希少性が高く、人気のある石です。また、通常アレキサンドライトは内包物のない透明度の高いものが好まれますが、キャッツアイは別です。内包物が美しいキャッツアイ効果を現しているものは珍しく、希少性が高いといえるでしょう。

 

硬度があるアレキサンドライトのメリット

ここでは、硬度が高いアレキサンドライトのメリットについてご紹介します。

 

日常生活で使いやすい

アレキサンドライトは、モース硬度が高めで靭性にも優れているため、傷がつきにくいのが特徴です。ひっかき傷などもつきにくいため、日常使いがしやすいでしょう。そのため、「傷がつきそうでなかなか身に付けられない」という方にもおすすめです。

ペンダントやピアスなどであれば、ぶつけたりする可能性は低いですが、指輪はどうしてもぶつけて傷がつく可能性が高くなってしまいます。アレキサンドライトであれば、傷がつく心配が少ないため、指輪として身に付けたい方にも向いているでしょう。

アレキサンドライトを選ぶ際には、カラーチェンジ効果に注目することをおすすめします。アレキサンドライトの最大の特徴ともいえるのが、カラーチェンジです。カラーチェンジ効果が見られる宝石は珍しいため、「アレキサンドライト効果」と呼ばれるケースも多いです。可能であれば、以下のように変化するかどうかをチェックしてみましょう。

・自然光(太陽光)の下で緑色に見えるか

・白熱灯で赤紫色に見えるか

このようなカラーチェンジ効果が見られるものであれば、日常生活の中でアレキサンドライトを楽しみやすいです。また、内包物や欠けがないか、クラックの有無なども確認することをおすすめします。

 

多彩なデザイン性を持たせられる

硬度8.5と優れた靭性があるアレキサンドライトは、多彩なデザインを持たせやすい宝石です。一定方向に衝撃を与えると割れやすい劈開面があまりないため、制作する上で安心感があります。そのためダイヤモンドなどの宝石よりも、さまざまなデザインのものを制作できるでしょう。例えば、以下のようなジュエリーに加工されています。

 

ペンダント

アレキサンドライトのネックレスは、胸元を美しく彩ってくれます。会話中などで注目されることの多い胸元に、アレキサンドライトを使ったペンダントがあれば、女性らしさや上品さなどを表現できるでしょう。普段使いだけでなく、パーティーシーンなどにもおすすめです。

 

ブレスレット

アレキサンドライトを使ったブレスレットは、アレキサンドライトのカラーチェンジ効果を手元ですぐに見ることができるのでおすすめです。美しいカラーチェンジ効果は、どんなシーンでも手元を輝かせてくれるでしょう。

 

ピアス

アレキサンドライトのピアスは、顔の横で美しく輝いてくれ、昼夜で異なる印象を与えてくれます。昼と夜で異なる輝きを見せるので、飽きにくいでしょう。いつものコーデにプラスすれば、おしゃれで上品な印象を与えてくれます。

 

指輪

指輪も、アレキサンドライトのカラーチェンジ効果を見やすいジュエリーです。存在感のある宝石なので、指を美しく装飾してくれます。

 

アレキサンドライトのお手入れ方法

アレキサンドライトをきれいに保つには、日常的なお手入れが大切です。普段のお手入れでは、身に付けたあとにやわらかい布などで、ホコリや汗などの汚れを拭き取りましょう。強く拭かないように注意が必要です。宝石についた汗などの汚れをそのままにしておくと、輝きをくもらせる原因になってしまいます。そのため、着用後は、こまめに汚れを拭き取ります。

またジュエリー専用のクロスも販売されています。専用クロスは購入店やジュエリーショップなどで購入することが可能です。ジュエリー専用クロスは、アレキサンドライトだけでなく、さまざまな宝石のお手入れに使えるので、1枚持っておくことをおすすめします。

 

汚れがひどい場合は、中性洗剤で洗浄する方法もあります。

1.ボウルにぬるま湯を入れ、中性洗剤を少し溶かし、アレキサンドライトを浸す

2.汚れが詰まりやすい部分は、やわらかいブラシ、綿棒などで汚れを落とす

3.水でよくすすぎ、やわらかい布で水分をしっかり拭いてから乾かす

洗浄する際には必ずぬるま湯を使いましょう。熱湯は破損する恐れがあります。

 

また化粧品や香水などを使う場合も注意が必要です。化粧品や香水などが付着すると、変色などの原因になります。アレキサンドライト自体は大丈夫でも、地金が変色してしまう可能性もあるでしょう。そのため、身支度の最後に、ジュエリーを身に付けることをおすすめします。

さらにアレキサンドライトだけでなく、他の宝石がついている場合も注意が必要です。中性洗剤が問題ない宝石もあれば、洗剤をつけてはいけない宝石もあります。そのため、事前に確認しておきましょう。宝石の種類が何なのか分からなかったり、汚れが落ちにくかったりする場合は、宝石店に相談することをおすすめします。

 

アレキサンドライトの保管方法

アレキサンドライトは、保管方法にも注意が必要です。アレキサンドライト自体は、硬度が高いですが、他の硬度の高い宝石と同じ場所に保管してしまうと、傷がつく可能性もあります。そのため、やわらかい布袋などに1つずつ入れて保管する方法がおすすめです。また、専用のジュエリーケースを使って保管する方法もあります。

保管場所は、直射日光が当たったり、高温多湿だったり、乾燥し過ぎる場所は避けます。風通りが良い場所に置いておくことをおすすめします。

 

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アレキサンドライトの硬度を知ろう

アレキサンドライトは、硬度が高く靭性にも優れているので、傷がつきにくく、割れにくい宝石です。多彩なデザインに加工しやすいため、ブレスレット、ピアス、指輪、ネックレスなどさまざまなジュエリーに使われています。昼と夜とで全く異なった輝きを見せるので、珍しい宝石が欲しい方にもおすすめです。特にカラーチェンジ効果が分かりやすいものは、コレクターの間でも人気があります。傷がつきにくく、日常使いしやすい宝石といえるので、ぜひ身につけてみてはいかがでしょうか。